107話②【変】長崎が誇る世界遺産「グラバー園」

文字数 1,099文字

しかし、グラバー園にはグラバー住宅以外にもあるってことでしたけど、他にはなにがあるんですか?

ああ。

長崎で活躍した商人はグラバーだけじゃなかったんよ。

同じイギリス人のフレデリック・リンガーやウィリアム・ジョン・オルトいう商人も同じところに住んどったんよ。

なので、リンガー住宅やオルト住宅が見るべきもの、いうことになるな。

ちなみにこのリンガーさんは友人のエドワード・Z・ホームとホーム・リンガー商会いうのを立ち上げて商売しよったんよ。

で、そこにあやかって名付けられた長崎発祥の外食チェーンが「リンガーハット」ということなんじゃ。

マジかっ!!!

おう。

資産的なつながりはないが、あくまでその名にあやかったいうやつよ。

ま、江戸時代の商人・蔦屋重三郎にあやかって「TSUTAYA」という社名をつけたいうのと、同じようなもんじゃな。

ほんといろいろ知ってますよね……
勉強したけえな。
はいはい……
ちなみにさっき紹介したホーム・リンガー商会には、倉場富三郎いう商人もおったんで。
日本人ですか?
一応な。
一応?
どういうこった?
なんせこの人、さっきのページで紹介したグラバーの息子じゃけえな。
マジかっ!!

ああ。

なので名字の倉場はグラバーをもじったものなんよ。

グラバーと日本人女性の間に生まれた長男で、「倉場富三郎」「トミサブロー・アワジヤ・グラバー」「トーマス・アルバート・グラバー」いう名前じゃったそうな。

どれが本当の名前なんですか?

わからん。

もしかしたらいろいろ使い分けとったんかもしれん。

なので、日本人じゃったともイギリス系日本人じゃったともいわれとるんじゃ。

でも、グラバーの長男なら、さきほどのグラバー住宅にも住んでたってことですよね?

ああ。

1939年まではな。

1939年?

うむ。

太平洋戦争がはじまって、戦艦武蔵が長崎で建造するにあたって、秘密保持のためにドックが見下ろせる位置にあったグラバー住宅から退去させられる羽目になったけえな。

ひどい話ですね……

しかもハーフじゃったせいもあって、スパイを疑われたりもしたそうでな。

そのせいでスパイの疑いを晴らすために積極的に戦争に協力した姿勢をとったそうな。

で、日本が戦争に負け、長崎に原爆が落とされたいうこともあって、戦後すぐの1945年8月26日に自殺をしたんじゃそうな。

マジか……

そういう歴史もあるいうのを知った上で、ぜひこのグラバー園を見てほしいもんじゃな。

きっと目の前に見える一面だけじゃのうて、多面的にものが見えようてな。

たしかに。
それは言えてますね。
そんなわけで長崎が誇る世界遺産「グラバー園」、みなさんも長崎を訪れた際にはぜひ一度足を運んでみてつかあさい!!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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