23話② 明治30年創業、東京・深川の「みの家」

エピソード文字数 1,474文字

というわけで、今回は両国のお店ってわけですね。
いや、そのお隣の深川は森下駅にある「みの家」じゃ。
なんで、そこは両国じゃねえんだよ!
だって「みの家」に行きたかったんじゃもん(プー)。

すいません。ほっぺた膨らませないでください。

殺意が湧きますので……。

す、すいません……。
うむ、さすがにいまのはてめえが悪い。素直にあやまっとけ。
はい……、以後気を付けます……。(震え声)
で、この「みの家」って、どんな店なんですか?
おう。ここは「桜なべ」の店なんじゃ。
桜なべ?
ああ、要するに「馬肉の鍋」ってことだな。
馬? うまいのか?
馬だけにってか(笑)?
おう、ニコルよ。殺ってもいいぞ。俺が許す。

ひぃっ、すいません! すいません! 許してつかあさい!

つい、つい出来心なんですっ!

もうしませんけえ、堪えてつかあさいや!!

……今度だけだぞ。
わかったな。
お前のことだよ!

しれっとこっち側に来んな!

ちぇー。


ちぇーじゃねえ!
そういうコントはいいから、早く話進めてください。

おう、すまんの。

で、ここは桜なべの名店でな。

明治30年創業の老舗なんじゃ。

ほう、そいつはすごいな!

では、味もいいんでしょうね。

むろんのこと。わしが食うたのはこの「桜なべ」じゃ!
おおっ、こいつは酒がすすみそうだな!
うむ。実際、この日は酒も頼んで、なんやかんやで飲み食いしたわ。
そういえば今岡先生って飲まれるんですか?
わしか? 下手すると武松よりザルで。
マジかっ!
ああ、わしの場合は腹が膨れるとそれ以上入らんいう性質なんでな。基本的に1杯目以外は日本酒やワインなどの濃い酒にしとるんよ。で、それなら少ないつまみだけで延々と飲み続けられる。
そいつはすげえな。
わし自身は別にすごいともなんとも思っとらんがの。
え? なんでですか?

だって、こんなもんただの体質じゃけえな。努力を積み重ねてなんとかなるもんじゃない。むしろ努力でなんとかなる分野できっちり成功をおさめとる人らのほうがえらいと思うとるよ。

わしのこの体質は、先祖からの遺伝いうだけのもんじゃ。

遺伝?
おう、両親はそこまでじゃないが、うちの祖父は職業軍人でな、若いころはよう飲みよったらしいんじゃ。わしも祖父が好んで飲んどった広島の白牡丹をよう飲みよるんで、確実にそこからの隔世遺伝じゃろうな。
てめえの祖父さんは軍人だったのか?
ああ、生前は知らんかったんじゃがの。知っとれば、あれこれ聞いて勉強させてもらったんじゃがのう。
軍部のどんなお仕事をされてたんですか?
騎兵。
は?
騎兵。
えっと……。
馬に乗るお仕事。
その馬をてめえが食ってんじゃねえよ!

それはそれ、これはこれじゃ。

というわけで、明治30年創業の名店「みの家」、みなさんも深川に行かれた際はぜひ足を運んでみてつかあさい!

馬肉は馬刺しが好きでした。

肉なのに全然生臭くないのがいいんですよねえ。


むろん馬刺しもありました!

たてがみなんぞはなかなかの美味でしたわ。

(馬肉を食べたことがないなんて、言えない空気っ!!)
馬刺しは高いじゃろうが、馬肉カレーとかなら案外安いかもしれませんな。

熊肉カレーやら鹿肉カレーがあるくらいじゃけえ、そがいなのもある思いますがの。

なるほど。

カレーなら手を出しやすいです。

初心者だから、レトルトからいかせてもらうぜ。

(金がないだけだがな!)

ちなみに広島にはホルモンを油で揚げた「せんじ肉」いうのがあるんじゃが、広島の「福島食堂」いうお店には「馬肉のせんじ肉」という変わったものがあるんよ。

これがまた旨いんじゃが、高いうえに日持ちせんいう代物で……。機会があれば食うてみてもらいたいですのう。

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登場人物紹介

今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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