60話② 【レア】神戸市の「兵庫七福神」

文字数 1,104文字

で、「七福神めぐり」の五つ目は、福禄寿を祀っとる「真光寺」じゃな。
ここは創建が833年~850年頃といわれとって、

建治2年(1276年)が中興年といわれとるのう。

中興年?

中興いうのは「一度衰えていたり途絶えた物を復興させる」いう意味じゃな。

よう「中興の祖」みたいな感じで使われるのう。

寺にもそういうのがあるのか?

おう、あるで。

で、ここの中興の祖は、時宗を興した一遍上人じゃな。

なので、ここには一遍上人五輪塔なんかもある。

これがそうじゃ!

けっこう年代物ですね。

ああ。

なんせ一遍上人が亡くなられた鎌倉時代に作られたものじゃけえな。

鎌倉時代っ!?

それは古くて当然ですね……

ほうじゃな。

ただこれを一遍上人が喜ぶかどうかは謎じゃがな。

どういうことだ?

なんせ一遍上人は自分が亡くなる前、「自分が死んだら野に捨てて獣に施せ」と遺言しとるんじゃ。

しかし弟子たちが「そういわれても、実際お師匠様にそんなことするわけには……」「よし! 立派な供養塔を作るか!」いうことにしたんじゃけえな。

遺言全否定ですか……
まあ、どっちの気持ちもわかるけえ、こればっかはどうしようもないじゃろうがな。
そうだな……
で、この次に紹介するんが、寿老人を祀っとる「薬仙寺」よ。
ここにはもともと霊泉がわいとったんじゃが、この水を隠岐島に流されとった後醍醐天皇が京都に帰る途中で病気になってな、その際に飲んだらすっかり病気が治ったんで、寺の名前を薬仙寺に変えるよういわれたいうのが由来じゃな。
いまでも霊泉があるんですね。

さすがに蓋がされとったがな。

由来を示すものとして、きちんと保存されとるいうことじゃ。

なるほどな。
しかし、寿老人と福禄寿を祀っとるお寺さんがわりと近いところにあるいうんも、なかなかおもしろいもんじゃて。
どういうことですか?

ああ。

なんせこの二人の神様、もとは同じ人じゃけえな。

マジかっ!?

おう。

もともとは道教に南極老人という神様がおったんじゃ。

それがどういうわけか、それをモデルとした神様が二つ作られてしもうたんよ。

なので、七福神でもたまに寿老人が外されるいうことがあるんじゃ。

その場合どうなるんですか?
もしかして六福神か?

いや、その場合は「吉祥天・お多福・福助・稲荷・猩猩・虚空蔵菩」あたりが代わりに入ることが多かったそうな。

わりと適当なんだな……

まあのう。

なんせ仏教由来の神様や道教由来の神様が大半を占めとって、

日本固有の神様は恵比寿様だけいうありさまじゃけえな。

そうなんですか!?

おう。

わりと知られとらんが、残りは全部外国の神様いうことじゃな。

マジか……
ま、そんなわけで次のページでは、

「七福神めぐり」の最後を紹介して、終わろうかの。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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