148話② 元祖「ヨーロッパ軒 総本店」

文字数 1,607文字

で、昨日は越前そばを紹介してくれたが、今日はなにを紹介してくれんだ?

ああ。

今日はがっつり飯系とかどうかの?

いいですね。
どんな飯なんだ?
福井いうたらソースカツ丼しかあるまいて!
ソースカツ丼!?
ふつうカツ丼っていえば卵とじじゃないですか?

ああ。

じゃが、福井ではソースカツ丼の方が主流なんじゃ。

なんせ100年以上の歴史があるけえな。

マジかっ!?

おう。

福井県出身の高畠増太郎さん言う人が、明治の時代に6年にもわたってヨーロッパで料理研究留学をしたんじゃそうな。

で、その人は1912年(明治45年)に帰国し、1913年(大正2年)にソースカツ丼を東京で開かれた料理発表会で披露し、その後、東京の早稲田大学前で「ヨーロッパ軒」いう店を開いたんじゃと。

店名は留学先がヨーロッパだったからですか?

そういうことじゃな。

で、1917年(大正6年)には横須賀に移転したんじゃが、1923年(大正12年)に関東大震災で被災。命はなんとか長らえたものの、店がめちゃくちゃになってしもうたんで、生まれ故郷の福井に帰ったんじゃそうな。

で、福井でまた店を開いたのか?

ああ。

その店こそが1924年(大正13年)に創業した、

「ヨーロッパ軒 総本店」よ!!

本当に歴史ある店なんですね!!

おう。

なので、ここの店はわりと平日でも混むで。

なにしろ今ではのれん分けした店がここ以外に18店舗あるわけなんじゃが、

それらすべてのルーツなんじゃけえな。

そりゃ、すげえな……

なので、ここのソースカツ丼は福井県のカツ丼のルーツというわけなんよ。

そう、これがその歴史あるカツ丼じゃ!!

おおっ、たしかに旨そうだ!!
ほんと、ガッツリ系ですね!!

ああ。

なんせもともとは大学生をメインにだしとったわけじゃけえな。

じゃが、ボリュームもさることながら、味もしっかりしとるで。

どんな感じなんですか?

カツは下ごしらえがええんか、しっとりと柔らかいう感じじゃな。

パン粉もきめ細かなんが使われとって、

「ザクッ!」というよりは、軽く「さくっ!」という食感がええ感じなんよ。

で、味の決め手のソースはドイツ仕込みの特注品。

いまはメーカーに作ってもらっとるそうなんじゃが、

創業者がヨーロッパで味わったものを再現してもらっとるそうな。

ちなみにここはソースが入った小皿が一緒についてくるんで

自分好みで「追いソース」をすることもできるんよ。

それはありがたいところですね。

あと、米にもこだわりがあってな。

福井産のコシヒカリと、これまた福井産の華越前をブレンド。

まろやかに整えられたソースが、カツにも米にもよう合うんじゃ。

マジで旨そうだ!!
で、いくらぐらいなんですか?

わしが注文したのは「ソースカツ丼(3枚・880円)」じゃな。

これにサラダ&味噌汁付きのセットにすると、「+200円」よ。

そこそこするんだな。

じゃが、昼じゃろうが、夜じゃろうが、この値段でガッツリ食える。

夜にガッツリ食っても、1000円程度で済むんじゃったら、むしろ安いほうじゃないかのう?

それは、たしかに……!
そんなわけで100年以上の歴史を持つ、福井の名店「ヨーロッパ軒 総本店」、みなさんも福井を訪れた際にはぜひ一度足を運んでみてつかあさい!!
これがカツ丼……だと?

な、なんてサイズなんだ……!!


これ茶碗はでかいんです?

茶碗いうよりはドンブリですのう。

なので、当然でかいです。

ランチとしてはちと多いぐらいじゃが、

夕食としては十分満足できる量じゃあ思います。

そして夕食時はわりと混みます(;^ω^)

夕方6時ぐらいならまだ比較的入りやすいでしょうな。

わしもそのぐらいの時間に行きました!

なるほど。

安くてがっつりいけるなら、混むのもわかりますね。

あとは、やはり福井県のカツ丼のルーツいうんも大きいでしょうな。

おかげであの地方では「カツ丼=ソースカツ丼」という構図になっとりますんで。

要するに福井の看板を背負った店じゃあいうわけです(*OwO)ノ

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)
※これは自由参加コラボです。誰でも書き込むことができます。

※コラボに参加するためにはログインが必要です。ログイン後にセリフを投稿できます。

登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色