92話① 【変】見どころ満載「水木しげるロード」

文字数 1,229文字

わしが歴史好きなのは、知っとるよの?
念を押されなくても知っていますよ……

むしろそれで歴史嫌いだったら、助走つけて殴るわ……

ほいじゃあ、伝奇や妖怪の話も好きなのは知っとるかの?
意外……でもねえな。

……ですね。

むしろそういうのもよく語ってますものね。

たしか日本の妖怪の本だけじゃなく、

『山海経』とか『捜神記』といった中国の妖怪古典にも手を出してんだっけ?

ほうじゃな。

こういうなんを見ると、

やはり日本の妖怪は中国の影響を受けたんじゃなというのがようわかるわ。

そうなんですか?

ああ。

全部が全部とはいわんが、似たようなエピソードは見かけるけえな。

むろん人間が暮らしとる以上、国の内外を問わず同じような話が

自然発生的に生まれたいうのもあるんかもしれんがな。

なるほどな。
しかし、そうやって聞くと、今岡先生は妖怪否定派なんでしょうか?
なんでじゃ?
いえ、どっちかっていうと、妖怪を理論的に体系づけて考えているようなので、そう思ったんですが、違うんでしょうか?

違うのう。

むしろその逆じゃな。

逆?

ああ。

大好きじゃからこそ、研究する。

研究するからこそ、理論的にもなるという具合じゃな。

具体的には?

ほうじゃな。

たとえば「あかなめ」とか「しろうねり」とかっていう妖怪は聞いたことがあるか?

名前ぐらいはな。
どんな妖怪なんですか?

「あかなめ」は風呂場のあかを舐める妖怪で、

「しろうねり」は古くなって放置された雑巾が化けた妖怪じゃな。

これらはいずれも「日ごろからの清掃を心がけるよう、戒めとして生み出された妖怪」であると考えることができるんよ。


しかし、違った視点で考えると、「あかなめ」はその姿を誰も見たことがないとされているので、「砂かけばばあ」同様、「目に見えないものを具現化した妖怪」と考えることもできる。

一方、「しろうねり」は古くなった雑巾が化けたものであることから、「からかさお化け」同様の「器物が長い年月を経て化けた妖怪=つくもがみ」とみなすこともできる。


つまり、ひとつの妖怪に対して、ひとつのカテゴリーがあてはまるということではなく、ひとつの妖怪に対して、複数のカテゴリーが重複して存在する。そして、それらの組み合わせによっていろんな姿を見せてくれる存在、それこそが妖怪というものということなんじゃ。

わかるようなわからないような……
要するに、どういうことなんです?
ま、平たく言えば、「いろんな分け方ができる」「妖怪は人間同様、いくつもの表情や性格を見せる」といったところかのう。
なるほどな。
それだけ奥深いってことなんですね。

そういうことよ。

で、この妖怪学、つきつめればいくらでもつきつめられるからこそ、

これまで多くの人が魅了されてきたわけなんじゃ。

そして、それを実際に見たり触れたりできるんが、

今日紹介する境港の「水木しげるロード」ということなんじゃ!!

すげえ!!

妖怪だらけですね!!

ほうじゃろ。

さすがに全部は紹介できんが、

次のページでは有名どころをメインに紹介しちゃろうかの。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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