36話① 広島の味「むすび むさし」

エピソード文字数 1,288文字

ほんと、お前さん、広島好きだよな?

おう。

わしの故郷じゃけえな。

広島愛であふれとるで。

じゃあ、なんで広島を出られたんですか?

それは単純な理由じゃの。

大学進学がきっかけだっただけじゃて。

でも、大学卒業後に広島に帰るっていう選択肢もありましたよね?

まあのう。

実際、そういう話もなかったわけじゃないが、

もうその頃はバンド活動もやっとったけえな。

こっちで働きながらバンド活動続けるいう考えしかなかったわ。


周りからなんか言われなかったのか?

いろいろ言われたで。

特に広島の親友たちからは

「まさかお前が広島に帰ってこないとは思わんかった……」

「お前だけは絶対に広島を出ないとすら思っとったんじゃが……」

と口をそろえて言われたもんよ(笑)

いまも帰ろうとは思わねえのか?

詩人の室生犀星も言うとるじゃろうが、

「ふるさとは遠きにありて思うもの」とな。

故郷いうんは、それぐらいでええんよ。

あと、わしも広島人である以上は、故郷を飛び出す気概がないといけんけえのう。


広島人は故郷を飛び出す?

どういうことなんです?

広島人は割と独立志向が強いけえな。

昔から広島が好きなくせに、自ら広島を出ていくいうんが多いんじゃ。

そうなのか?

ああ、日本人の移住いうと、ハワイやブラジルが知られとるが、そういった海外移住者の数がダントツで多かったんが広島人なんじゃ。

一説には広島出身者が9万2千で全体の16%、2位の熊本出身者が6万1千じゃいわれとるけえ、かなり突出して多かったんがうかがえるのう。

それは多いですね。
なんでそんなに多かったんだ?

いろいろ理由はあるが、一番いわれとるんが、人口過密と開拓地の少なさじゃな。


人口過密?

ああ。

日本では昔、人が増えすぎんように、子どもが生まれたら「口減らし」いうて、間引くこともあったそうなんじゃが、浄土真宗門徒が多い広島では、あまりそれが行われんかったんじゃ。

おかげで農地に比べて、人口が多(おゆ)うて、えらい難儀しよったそうな。

で、その開拓地を求めて、外へってことか?

ま、そういうことじゃな。

むろん開拓地を求めたのは海外だけじゃないで。

国内でもか?


ああ、有名なんは北海道開拓じゃな。
でも、北海道開拓は東北出身者が多いと聞きましたが?

うむ。

もともとは旧幕府軍関係が半ば懲罰的にやらされたんでな。

実は中四国出身者は割合そんなに多くないんじゃ。

じゃあ、広島人もそんなに行ってないんじゃねえか?

さにあらず。

開拓精神旺盛な広島人はちゃんと北の大地も開拓しとるんよ。

これが、その証拠じゃ!

これは北海道日本ハムが移転を予定している北広島じゃないですか?

おう。

実はここは広島開拓者が作った村での。

当初は広島村という名で、後に広島町になったんじゃが、市になるときに「さすがに故郷の広島市とごっちゃになるのはどうなのか?」ということで、北広島市になったいうわけなんじゃ。

そういう理由があったのか。
ま、わしが広島出とる一端がうかがえよういうもんじゃの。
広島は変人が多いってことなんですね。
変わりものの巣窟か。

そりゃ、しょうがねえな。

(キャラのせいで、わし、広島帰ったら殺さりゃあせんかのう……ガクブル)

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登場人物紹介

今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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