19話② 「左近ちゃん 見参!」の聖地、堺の「かん袋」

エピソード文字数 1,178文字

逆っていうのは?

むしろ賞賛されたそうじゃ。


マジかっ!

なにしろ重い瓦を、なんでもないかのように次々に放り投げたそうじゃからな。そこまで突き抜ければ、褒めるしかなかろうて。

当時の大坂城はもうないが、一応復興された現在の大坂城はこんな感じじゃ。

でかっ!!

え?

この高さまで、瓦を投げたっていうんですか?

投げた。

しかもその様子、「紙袋を散らすが如し」というありさまだったそうじゃ。

瓦を紙袋のように次々に投げるおっさん……とんでもねえな。
武将になっても、活躍しそうですよね……。
したじゃろうなぁ。

で、それを目撃した秀吉が喜んだ挙句、「今後は和泉屋じゃなく、紙袋と名付けよ」と言ったそうじゃ。そして、それがなまって「かん袋」となった、とのことじゃ。

うん。いい話なのに、最後で台無しになってませんか?
だよな。いくら喜んでも、紙袋はねえだろ、紙袋は。
まあのう。秀吉は家康ほどひどかったわけじゃありゃあせんが、たまにぶっとんだネーミングセンス披露するときがあったそうじゃけえのう。
家康はもっとひどかったんですか?
おう。為政者としては大したもんじゃが、ネーミングセンスはかなりのもんなんじゃ。たとえば家臣への命名なんて、本人からしてみたら一生ものなのに、軽くひどい名前つけたりしてるけえな。
どんなのだ?
ある時、譜代の家臣の本多信俊に兎唇の子が生まれたんじゃ。
兎唇というと、口唇口蓋裂のことですか?
ああ、いまでは幼少期の外科手術で簡単に治るものじゃが、当時はどうすることもできなくてな。見た目が非道いということで、その本多信俊は嘆き悲しんだそうじゃ。
そりゃ、親としては当然の話だな。
で、それを聞いた家康は「武田四天王の一人・山県三郎兵衛昌景も兎唇だった。その子はその生まれ変わりである」と言って励まし、「その生まれ変わりにふさわしい名前を付けてやろう」と言ったそうな。
おおっ、いい話じゃねえか!
で、どんな名前が付けられたんです?
本多山県。
は?
本多山県。

ちょっと待て……。

また悪い話になってんじゃねえか!

さすがにこれはひどいですね……。

本多三郎兵衛でも、本多昌景でもよかったはずなのに、なんでそこを足してしまったんでしょう?


いまの日本人でいえば「星崎今岡」とか名付けられる感じか?

変なところに飛び火させないでください。

でも、絶対お役所とかが受理してくれないでしょうね。

ま、天下人ってのは、どこかぶっとんだセンスしとるってことなんかのう……。(遠い目)


今も昔も成功者というものは、どこかぶっ飛んだところがあるものなんですかね。

それにしても、昔の日本人は腕力が凄い。

あ、飛び火しやがったところだ!
お前はなんてことを言うんじゃ!


>>成功者というものは、どこかぶっ飛んだところがあるもの

じゃあ、わしも星崎先生も成功しそうですのう(笑)

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登場人物紹介

今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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