140話② 笠松競馬場の「ボロさ」

文字数 1,183文字

で、今日も笠松競馬場の紹介なんですね。

おう。

一応笠松競馬場は4品ほど名物を紹介する予定じゃけえな。

多いなっ!?
そんだけ名物を食い歩いたんじゃけえ、しょうがあるまいて。
あんだけボロいのに、そんなに名物があるもんなんですね……

ボロいボロいって……

そがいにほんとのことを言わんの!!

ほんとのことなのかよ!!

おう。

ボロいのは隠しようがないことじゃけえ、しょうがあるまいて。

いや……、自分で言っててなんなんですが、

昨日いろいろ見ましたけど、そこまでですか?

ああ。

昨日は見しとらんのもあったけえな。

ほれ、これなんかひどかろう?

雨漏りがする飲食店が補修もされんと、ブルーシートで急場しのぎじゃ。

競馬場の施設内には昔営業しとって、いまでは放置されとる喫茶店の跡。

なんかの店があったんじゃろうが、放置されとる古臭いレジスター。

老朽化が著しい、施設の数々。
こ、これは……
すごいですね……

の?

まるで廃墟探検みたいなワクワク感があるじゃろ?

言い方っ!!
しかし、なんでこんなありさまなんだ?

ああ。

実は笠松競馬場は全国でも1、2を争うほど、存続があやぶまれとる競馬場なんじゃ。

マジかっ!?

おう。

なんせ笠松競馬場は建設時に地主との交渉がうまくいかんでな。

敷地の98%が私有地になったままという、全国でもめずらしい競馬場なんじゃ。

おかげで競馬場のコース内側に田んぼがあったり、墓地があったりと、

それはまあ、ひどいありさまなんじゃ。

そりゃ、すごいな……

で、私有地なんで、当然、土地施設賃貸料が発生する。

これが笠松競馬場の長年の足かせにもなっとるんじゃ。

それはひどいですね……
ただ、このへんに関しては笠松競馬場もいけんところがあるんよ。
どういうこった?

さすがに赤字が続いて、このままでは存続不可能いう事態にまでなったときに、

土地所有者らが「それなら賃貸料は固定資産税相当額まで引き下げてもいい」いうて協力してくれたんよ。

ぶっちゃけていえば、「税金分だけ負担すればタダで貸してあげる」いうところじゃな。

いい話じゃないですか!

ところが、笠松競馬場はそれをええことに、

黒字になって以降もそのタダ同然の賃貸料を、土地所有者らの許可を得ず、無断の続行。

おかげで協力してくれとった土地所有者らから、

不払い分の支払いと明け渡しを求めての訴訟が起こされるまでになったんじゃ。

マジか……
で、どうなったんですか?

岐阜地裁一審判決では地主側が勝訴。

これを不服として競馬場側が控訴したんじゃが、名古屋高裁では和解協議が持たれ、

2010年度まで坪当たり賃料1200円とすることで合意。

ただ、以降は固定資産税評価額など、

客観的基準に基づき賃料を算出することになっとるんで、

正直なところいつ爆発してもおかしくないいう状態で、

こわごわ存続しとるいうんが正直なところなんじゃ。

ギリギリのところで存続してるんですね……
そういうことじゃな。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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