159話② 広島の老舗「釜飯 酔心」

文字数 1,224文字

ああ、そうそう。

さっき「広島で2番目に安うて旨い店」いうキャッチフレーズにつっこんだが、

実はもう一個つっこまにゃあいけんのんよ。

まだなんかあるのか……

ああ。

なんせ「2番目に安うて」いうのは、

嘘じゃけえな。

言い切ったな!!!

おう。

だいたい考えてみい!

豪華なCMソングはまだしも、

調理師を育てる専門学校まで作るようなところなんで。

そこの料理屋が安いはずなかろうが!!

うっ……!!
たしかに……!!
だいたい店の雰囲気からしてこんな感じよ!!

なんか高そうな店だな……


なのに、「広島で二番目に安うて旨い店」というキャッチフレーズは店の中にまであるんですね……

うむ。

そこはゆずれんそうな。

じゃが、出てくる飯はまぎれもなく本物で。

わしがおススメするんは、この「旬の天ぷら定食」よ!!

これはいいですね!!
ちくしょう、旨そうじゃねえか!!

おう、実際旨かった。

1時間ほど並んでまで食ったかいがあったわ。

そんなに並んだのか!?

ああ。

広島が誇る名店じゃけえな。

ちなみにわしがこのメニューをチョイスしたんは、

広島の魚「あなご」「太刀魚」が入っとったけえよ。

太刀魚の天ぷらなんかひさびさに食うたわ。

たしかにあまり関東ではみかけませんね。

ああ。

太刀魚は西の方ではよう食われとるんじゃが、

身が傷みやすいせいか、あまり関東では食われとらんのじゃ。

関東でもとれんわけじゃないんじゃが、漁獲量の違いもあるんかもしれんな。

で、これでいくらぐらいなんだ?

定食が1600円

で、釜めしが通常なら白米なんじゃが、

そこに400円ほど足して「栗と黒豆」釜めしにしてあるけえ、

合計で一人前2000円いうところじゃな。

高っ!!
じゃけえ、「安うて」いうのは嘘じゃというたじゃろ。
たしかに……

じゃが、時間と手間暇かけてつくった釜めしは絶品じゃったで。

とくにわしがたのんだのは、ホクホクの栗と北海道産黒豆をふっくら炊きあげた逸品でな。これを食うためなら待ち時間もおしくないいう代物じゃったわ。

1時間の待ち時間か?

それもじゃが、ここでは注文してから一つ一つ釜めしを炊くけえな。

食べるのはそこからさらに30分ほど待たんといけんので。

そんなに待つんですか?

おう。

白米ですら釜めしを注文したら待たにゃあいけん。

待つのがいやじゃったら、「白米をお椀で」と注文すれば

料理ができたタイミングで出してくれるそうじゃがな……

ただ、この店でそういう注文するんは無粋いうもんじゃろうて。

そうですね。

そういう注文するなら、はなっから他の店に行ったほうがいいだろうな。


ま、「広島で二番目に安うて旨い店」というキャッチフレーズはわしからしてみれば嘘なんじゃが、「これだけの手間暇をかけて絶品料理を出す店にしては、それなりに安うて旨い店」いう意味なんかもしれんのう。
それなら納得ですね。
そんなわけで、決して安くはないが、広島で昔から続く老舗にして名店中の名店「釜飯 酔心」、みなさんも広島に行かれた際にはぜひ一度足を運んでみてつかあさい!!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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