245話② 東アジア一の「横浜中華街」

文字数 1,373文字

で、今回はどこを紹介してくれるんだ?

ほうじゃな。

横浜中華街とかはどうかの?

横浜中華街ですか。

てっきりもう紹介しているもんだとばかり思ってましたけど、まだしてなかったんですね。

ほうなんよな。

てっきり紹介しとる気になっとったんじゃが、神戸中華街や長崎中華街は紹介しとっても、意外や意外、横浜の中華街はまだ紹介しとらんかったんよの。

なにか理由でもあんのか?

いや、特にない。

おいっ!!

ほんまにないんよ。

むしろ当たり前すぎて、わすれとったとしか思えんのじゃ。

なのでこの前、親友から「あれ?横浜のグルメって紹介してないんですね」って言われて、「いやいや、そんなまさか。もう何件もやっとってもおかしくは……ほんまじゃ!」ってなったけえな。

それにしてもタイトルにある「東アジア一」っていうのは、いったいなんなんですか?

ああ、あれか。

あれは横浜中華街が、東アジアで一番でかい中華街いうだけのことよ。

マジかっ!!

ああ。

ちなみに実際の横浜中華街はこんな具合じゃ。

これはたしかに日本一、いや、東アジア一ですね!

じゃろ。

ほいじゃあ、なんでそもそも横浜に中華街いうもんができたか、その理由は知っとるか?

いえ、残念ながら。
長崎の方は元々、出島で貿易をやっとったけえ、いう経緯があるわけなんじゃが、神戸や横浜なんかは幕末の安政5年(1858年)に日米修好通商条約が締結されたことに由来するんじゃ。
それがなんで理由になるんだ?

先に締結されとった和親条約の時の函館港と下田港に加えて、この修好条約で横浜港・新潟港・神戸港・長崎港が外国人に開放されたんじゃ。

で、それぞれの港周辺に欧米人が住み着くようになったんよ。

中国人じゃなくて、ですか?

ああ、当初は欧米人がメインじゃったんよ。

ただ、その通訳として多くの中国人が雇われとったんじゃ。

通訳?

おう。

なんせ日本は欧米人とまともにコミュニケーションが取れん。

一方、中国人は日本より早く欧米とのかかわりがあったんで、それなりにコミュニケーションがとれる上、日本人とも漢字を使った筆談のやり取りでコミュニケーションが取れる。

まさにうってつけの人選じゃったんじゃ。

なるほどな。

で、その後、大正12年(1923年)の関東大震災の際、多くの欧米人が帰国。

一方、本来通訳としてきとったはずの中国人はそのまま帰国もせんと居ついてしもうてな。

いつしか横浜港の一角が、中国人中心の町へと変遷していったいうわけなんじゃ。

なんで帰国しなかったんでしょうね。
まあ、強いていえば、帰る国がなかったんかもしれんな。
国がなかった?
どういうこった?

というのもじゃな、日米修好通商条約が結ばれた安政5年(1858年)は、中国はまだ清の時代じゃったんじゃが、大正12年(1923年)の関東大震災の際は皇帝すらいなくなった中華民国の時代。

しかも中華民国の建国は明治45年(1912年)で、大震災のわずか11年前のこと。

これじゃあ、戸惑ってしもうてからに、帰るに帰れんかったんじゃろうてな。

それは戸惑うのも納得ですね。
しかし、そういうのって歴史の授業とかで習うもんなのか?
中華民国の建国とかは習うじゃろうが、あとは歴史背景を知った上での独自調査じゃな。
なんのために?

知りたかったけえ。

ただそれだけのことよ。

知ってました……

ああ、こいつがそういうやつだってこと、知ってたけどよぉ……

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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