03話① 貿易都市・堺の「プノンペン」

文字数 1,359文字

今岡先生は、堺にも行ってるんですね。
ああ、小説を執筆するにあたって、その舞台の一つでもある当地をどうしてもみておきたかったんでな。
どういうところに行かれたんです?
いろいろ行ったのう。左近ちゃんの五章の舞台にもなった「千利休屋敷跡」「今井宗久屋敷跡」とかな。それぞれの屋敷跡は、だいたい徒歩5分圏内ぐらいなんじゃ。
他には?
四章の舞台である「大鳥居王子跡」にも行ったが、かの地はかなり開発されていたんで、イメージをつかむために、その隣の「境王子跡」にも行ったな。どちらもいまは神社がなくなり、跡地になってはいるが、地形のイメージは十分つかむことができたな。
は~、すごいですね。
しっかし、売れっ子の作家ならともかく、そこまで売れてない作家が普通そこまでするか?
売れてないとか言うなよ……(泣)
武松さん、さすがにそれは言いすぎですよ。
言いたくもなるぜ。だってよ、これは俺やお前さんの作品には関係のないところなんだぜ。なのになんで俺らが駆り出されなきゃいけないんだよ。そっちの作品から出しゃいいだろうがよ。
って、言われていますが?
それに関しては、本当にすまん。ただ三成や左近ちゃんも出したいのはやまやまなんじゃが、あいつらのキャラクターアイコンは家紋なんじゃ。しっくりくるのがなかったけぇ、やむなくフリーの家紋画像を使うたんじゃが、まさかここで困ることになるとはのう。思ってもみなかったんだわ。
別にいいんじゃねえか。家紋がしゃべったってよぉ。家紋がしゃべると誰か困るってわけでもあるまい。
困らんか?
今岡先生、それは?
今岡家の家紋「丸に隅立て四ツ目結」じゃ。家紋がこうしてしゃべると、違和感半端なかろ?
……すまん。俺が悪かった。
わかってくれれば、それでええんじゃ。
それにしても今岡先生に家紋なんかあったんですね。
そりゃ、あるよ(笑)。もっとも、うちはいうほど由緒正しいいう家系でもないがの。西の方は「男紋」「女紋」いうのがあって、割と庶民でも家紋持っとるところが多かったいうのが大きかろうな。
「男紋」と「女紋」?
うむ、普通は男系だけのもんなんじゃろうが、西の方は商家が多かったこともあって、娘に婿を取って家名を残すみたいな風習が多かったんじゃ。それで生まれたのが「男紋」と「女紋」なんよ。

なるほどな。


女系は「女紋」を受け継ぎ、男系は「男紋」を受け継ぐというやり方じゃの。
さっき見せていただいた家紋は、今岡家の男系の家紋ということですね。

そういうこと。ちなみにわしは広島の出身じゃが、今岡いう苗字は山陰の一部地域で多く見られるんで、おそらくはそこから流れてきたと推測しとるんよ。そもそもかの地は尼子家の支配地域で、その尼子家の家紋は「平四ツ目結」。たぶんはその尼子家の家臣かなにかから始まったんじゃないかの。また、尼子家はそもそも京極家の被官で、その京極家の本流にあたるんが佐々木源氏であり、それらも同じく「平四ツ目結」を家紋としており、そのさらに本流の宇多源氏では……


(しまった! 家紋で語りだしやがった……)
(しばらくほおっておきましょうか……)

堺は堺まつりなんかも取材にいったりしとるんで、よう行っとります。

ふとん太鼓は堺をはじめとした関西にみられる、かなり独特な山車なんで、これだけでもけっこうおもしろかったりしますな!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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