50話① 英二's キッチン「レンコンとニンジンのきんぴら」

エピソード文字数 1,444文字

たまにはふつうの料理も作ろうかの。
またやんのか……。
うんざりすんなや!

うんざりしたくもなりますよ!

また裸エプロンじゃないですか!

安心してつかあさい!

履いとりますけえの!

パンツだけ履けばいいってもんじゃねえんだよ!
だいたいネタが中途半端に古いんですよ!

この前、お前らがあまりにもやかましいけえ、

今度はちゃんと履いてきたいうのに、

履いたら履いたでまたぶつくさ言いおってからに……。

だったらぶつくさ言われねえ

格好しやがれよ!

じゃーけーえー、

お前らがいちいち言わなんだら

読者にはわからんのじゃあ、言うとろうが!

そういう問題じゃないんですよ!

とにかく食欲が失せる格好すんなっつってんだよ!

いちいち文句が多いのう……。

着替えりゃええんじゃろ、着替えりゃあ……。

先に言っておきますけど、

靴下だけつけるとかもやめてくださいね。

なんで先にバラすんならぁ!

ネタ明かしをされ、激高した作者は、パンツから取り出したナイフを右手に構え、猛然とニコルに向かって切り込んでいった。

だが、ニコルは動じる様子もない。

だからと言って、構える様子も見せない。ただその場に突っ立ったまま。

このままでは獰猛な兇刃が、ニコルの身体に突き立てられる──傍から見ていた武松がそう思った刹那、

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するり。

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ニコルは滑るように、紙一重で狂猛な刃をかわしていた。

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わしともあろうものが、

しくじったかいのう……。

避けられたことに気づき、作者もすぐさま身を翻そうと試みた。

しかし、勢いのついた身体が急に止まる訳もなく、

そこから数歩進んだところで、ようやくその歩を止めることができた。

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ちっ!

すばしっこい鼠じゃのう……。

くるりと振り向きながら、舌打ちをする作者。

一撃をかわされたことに怒りを増して、憎悪の視線をニコルへと向ける。

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…………。

だが、対するニコルは黙したまま、ただ哀れみの眼で作者の方を見つめていた。

作者はそのニコルの眼に、チクリと嫌悪感を覚える。

と同時に、奇妙な違和感が頭をよぎった。

交錯する瞬間までは、感じなかった違和感。確実になにかが違っている。

そう。それはニコルの左手にあった。右手には粗末なメスが握られいたが、

同時にさっきまでは存在していなかったなにかが、ニコルの左手にも携えられていたのだ。


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赤とも黒ともつかない、毒々しい色の物体。作者の憎悪の眼は、その赤黒い物へと注がれた。

見つめる先の赤黒い物体は、ただビクンビクンと脈打つばかり。

しかし、作者はその正体をはたと悟るや、思わず我が眼を疑った。

そして、あまりの驚愕から、その手に持っていたナイフを、カタンッと取り落とすことに。

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そ、それは……、

わ、わしの……?

その言葉を口にした途端、胸がズキリと痛んだ。そして、そこに急ぎ目をやった。

素肌に直接身に着けた白いエプロンの上に、ジワリとにじみ出る赤い血の色。

自分の身に起こったことをようやく理解したその瞬間、

作者は言いようもない吐き気に襲われてしまった。


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ガハァッ!

口中から吹き出す、大量の鮮血。

血の気を失い、ガクリと膝をつく。身体に力が入らない。

もはや作者はその身を支えることもできず、ただ地に伏せるしかなかった。

そして、さらに増して襲い来る、強烈な虚脱感。すでに瞼を開けていることすら覚束なくなっていた。

だが、それでも作者はあらん限りの気力を振り絞って、ニコルの方へと手を伸ばした。

さっきまで自分の一部だった物を取り返そうとして。

しかし、その手は虚しく空をつかむだけだった。

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ま、まさか……、

お、お前さん、が……。

それが作者の最期の言葉だった。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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