80話② 【変】承天寺の「うどん発祥の地」碑

文字数 1,238文字

で、承天寺が立派な寺だってのはわかったが、

ここに「うどん発祥の地」の証拠でもあんのか?

おう、あるで。

これがそうじゃ!!

あんのかよ!!

しかし、写真では三つ石碑が立っていますが、このどれが証拠になるんですか?

ああ。

この一番左の石碑が「饂飩蕎麦発祥之地」の碑じゃな。

このお寺さんは聖一国師が日本に帰国した際に建てられたというたが、

その帰国の際に、聖一国師が製粉・製麺技術を宋から持ち帰ったとされとるんよ。

なので、うどんもそばも聖一国師が日本に伝えたということなんじゃ。

なるほどな。
そういういわれがあったんですね。
ちなみにその隣の石碑はなんなんだ?

ああ。

この真ん中の石碑は「御饅頭所」の碑というてな。

聖一国師が日本にまんじゅうを伝えたとされるものなんじゃ。

饅頭もかっ!!

ああ。

聖一国師が宋から帰国した後、布教で出向いた先の茶店で大いに歓待されてのう。

それに感激した聖一国師が、宋から持ち帰った饅頭の製法を茶店に教えたんよ。

しかも「御饅頭所」の看板まで書き与えたといわれとるけえ、

その感激ぶりやなかなかのもんじゃったんじゃろうな。

その看板はいまでもあるのか?

武松さん……

さすがに鎌倉時代の看板が今でもあるわけが……

おう、あるで。

これもあんのかよ!!

うむ。

そのときの看板は現在「とらや」が所蔵しておる。

とらや?
あの和菓子で有名な東京の「とらや」か?

ああ。

伝来は不明ながら、とらやの「菓子資料室 虎屋文庫」でちゃんと保管されとるわ。

その証拠として、上にリンクはっといたけえ、

嘘じゃあ思うんなら確かめてみてみんさい。

マジだ……
今岡先生の勉強の範囲は和菓子まで網羅ですか……
知識を得るのに、勉強の範囲なんて必要ないんじゃ。
そうですか……

で、ちなみにさっきの画像の一番左の石碑は、

「満田彌三右衛門之碑」となる。

満田彌三右衛門?

ああ。

この人は日本の商人でな。

聖一国師と一緒に宋に渡って、宋の技術をいろいろ学んだとされる人なんじゃ。

この人が日本に伝えた技術は「朱焼・箔焼・素麺・麝香丸・織物」の5つ。

いずれも当時の最先端技術で、日本にいろいろ利益をもたらしたといわれとるんよ。

それはすげえな!!

特に「織物」の技術は家伝の秘宝としてな。

代々改良を重ねて行って、「博多織」を作り上げたといわれておる。

後にこの博多織は、江戸時代に将軍家に献上されたことで、

「博多献上」としても知られることになったんじゃ。

博多織ってよく帯に使われてるんですよね?

ほうじゃな。

地が固いゆえに反物には向かんが、

一方で型崩れしにくいため帯としては最適なんじゃ。

ちなみに力士が博多織のまわしを締めるのは「幕下以上」と定められとるんで。

マジかっ!!

ああ。

そのぐらいの格式を有しとるいうことなんよ。

歴史あるものなんだな……

そういうことよ。


そんなわけで「うどん発祥の地」であり、それ以外にも「そば・まんじゅう・博多織」などなどいろんなものの発祥地でもある「承天寺」、わりと見どころ満載のお寺さんなんで、ぜひ一度足を運んでみてつかあさい!!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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