191話② 実は猫背な、鎌倉の大仏さん

文字数 972文字

ちなみに鎌倉の大仏は、高徳院いうお寺のものなんじゃが、一般的には寺の名前より大仏の方が有名じゃな。

そうですね。

たしかにあまり高徳院という名前は聞き覚えがありませんね。

うむ。

実はもともとお寺さんがあったんじゃが、後に荒廃してな。

寺自体がなくなっとった時期もあるけえなんよ。

マジかっ!!

ああ。

もっといえば、お寺さん自体、宗派が2度も変わったことも原因のひとつになろうてな。

なんせもともとは真言宗じゃったのに、後に臨済宗になり、しまいには浄土宗に変わったいう経緯があるけえな。

なんで、そんなにころころと変わったんですか?

当初は真言宗として建てられたが、鎌倉いう土地は臨済宗の強いところでな。

建長寺の末寺になった際に、臨済宗へと変わったということじゃそうな。

ただ、その後、災害やらなんやらで大仏を囲う大仏殿も倒壊。

大仏自体を野晒しのまま、お寺さんものうなってしもうたんじゃそうな。

マジか……
で、さすがにそれを見かねた江戸時代中期の浄土宗の僧侶・祐天上人が寺を再建。その際に、浄土宗へと変わると同時に、お寺の名前も高徳院となったということなんじゃ。
ということは、お寺よりも大仏様の方が古いってことなんですよね?
まあ、そうなるのう。
では、この大仏様はいつ建てられたものなんですか?
正確な創建年は当時のお寺さんがないけえ不明なんじゃが、古書である『吾妻鏡』やら『東関紀行』やらの記述から、おおよそ鎌倉時代前期頃に建てられたもんじゃといわれとるな。
古いなっ!!

ほうで。

ほいじゃけえ、国宝にも指定されとるんよ

建物以外で中に入れる国宝なんざ、そうそうないで。

やっぱ入ってましたか……

当然じゃ。

てめえらしいよ……

ちなみにこれは知っとるかの?

鎌倉の大仏さんは、下から見上げるのにちょうどええアングルになっとるせいか、

若干猫背気味でもあるんで。

横から見ると、ほれ、このとおりよ。

マジだっ!!
でも、そういうところまで見る人、そうそういませんよね?

そんなことはない。

後ろから見ると、中への明かりとりの窓がついとるんが見えたりと、なかなかにおもしろいもんなんで。

ほんと、そういうところ……
細かく見るよな……

だって、中に入ってから出てきたときに、気になるじゃろう?

「はて、あの明かりとりはどこについとったんじゃろう?」と。

なるか……ふつう?
わしはなった。
はいはい……
はいはい……

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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