197話① 土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た

文字数 1,080文字

今回は土佐の高知の名所と名物を紹介しようかのう。
見るとこ、まだあんのか?
わりともう、紹介しつくしている気がするんですが……

心外じゃのう。

わりとあるものなんで。

むしろまだまだ紹介しきっておらん感すらあるわ。

マジかっ!?
ああ、以前はりまや橋のことを紹介したんは憶えとるかの?
ええ、そういうこともありましたね。
日本三大がっかり名所の1つだっけか?

まあ、ほうじゃな。

で、ここの橋は「よさこい節」やら「南国土佐を後にして」にも歌われとるんじゃが、その一節は知っとるかの?

なんか聞き覚えが……
あるような、ないような……

いけんのう。

「よさこい節」の中でも、ひときわ有名な一節なんで。

「土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た」という一節じゃの。
ああ、それなら聞いたことがあります。
ぶっちゃけ、この一節のおかげで、はりまや橋が有名になったというても過言じゃないんよ。
しかし、なんでその一節が有名になったんだ?

ああ、それはじゃな。

この一節が江戸時代に当地で起きた大スキャンダルを端的に表しとるけえなんよ。

大スキャンダル?
どういうこった?

よう考えてみぃ。

かんざしは誰が買うものなんじゃ?

女だろうな。
もしくは恋人に贈り物をする男性でしょうか?

ま、そのどっちかじゃろうて。

少なくとも男性が自分のために買うものじゃあないのう。

ましてや髪のない坊さんなら、なおさらのことじゃな。

言われてみれば!!
たしかに!!

で、ふつうの男性なら「ああ、恋人に贈るのね」で済む話じゃが、妻帯が禁止されとる坊さんなら大事件じゃ。

それこそ「すわ! 誰に贈るのか!?」いうことになるわ。

これが広島じゃったらそこまで騒ぎにならんかったんじゃろうが、高知じゃったけえなおさらなんよ。

うん?
広島だとなんで、大丈夫なんだ?

ああ。

江戸時代はほとんどの仏教で妻帯が禁止されとったんじゃが、浄土真宗だけは親鸞聖人の教えから無問題とされとったんじゃ。

なので、浄土真宗が多数を占めとった広島(安芸)、石川(加賀)、福井(越前)あたりじゃあ、さほど騒ぎにはならんかったじゃろうな。

マジか……
では、高知の場合は?

高知で浄土真宗は少ない。

やはり四国いうことで、弘法大師の影響を受けて真言宗が多いけえな。

なので、大騒ぎになった、いうことなんよ。

それこそ歌の一節にされるぐらいにな。

いいさらしもんだな……

まあのう。

それこそいまでは、その歌をモチーフにして「かんざし」いう土産物まで売られとるけえな。

そのパッケージには若い女性と坊さんがしっかり描かれとるんで、当の本人からしてみたら「もう止めて!!」と言いたいところじゃろうてな。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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