241話② 万葉集由来の香川県「高松城」

文字数 1,330文字

で、こんな状態でも、名所や名物紹介はするんですね……

おう、やる!

ばっかじゃねえのか、お前!!

ばかじゃあ、ありゃあせん。

いついかなる時であろうとも、日常を忘れん。

これもまた大事なことじゃけえな。

これも今岡先生らしいと言うべきなんでしょうね……

わかったわかった。

で、今回はどこを紹介してくれるんだ?

ほうじゃのう。

今回は玉藻城でも紹介しちゃろうかの。

玉藻城?

あんま聞いたことがねえ城だな。

九尾の狐、いわゆる「玉藻前(たまものまえ)」とはなにか関係があるんでしょうか?

ない。

ないのかよ!

おう。

玉藻前は、一説には小さいころに「藻女(みくずめ)」と呼ばれとったが、美しく成長した後、鳥羽上皇に仕える女官となって「玉藻前(たまものまえ)」と呼ばれるようになったといわれとる。


一方、玉藻城の方は、香川県の高松城の別名というだけのことじゃけえな。

この「玉藻」いう言葉に、関連性は一切ないんよ。

で、これがその高松城じゃ!

ほう、なかなかに立派な城跡だな!

ほうじゃろ。

ただ、これでも元の大きさの1/8程度になっとるんで。

マジか!?

おう。

空襲で焼失したり、老朽化で破却されたりした上、市街地の開発とかで、近代にいたる過程でどんどん削られてったりもしたけえな。

それなのに、いまだにこれだけの規模があるなんて、なかなかですね。

ほうなんよ。

いまでもお堀は十分生きとって、和船「玉藻丸」「城舟体験(じょうせんたいけん)」なんかもできる具合じゃしな。

これはこれでいいな!

そういえば、先ほど高松城の別名が「玉藻城」なのは伺いましたけど、そもそもなんでここが玉藻城って呼ばれてるんです?

玉藻前と関係がないとすると、語源はいったいどこにあるんでしょうか?

ああ、それは「万葉集」由来じゃな。
万葉集!?

ああ。

万葉集の中に、柿本人麻呂が讃岐国を詠んだ歌があってな。

そこで讃岐国の枕詞に「玉藻よし」いうのがあるんよ。

どんな歌なんですか?

「玉藻吉(たまもよし) 讚岐の国は 国からか 見れども飽かぬ 神からか ここだ貴き」という感じじゃな。

さすがに全文を書くと長いんで、はしょるけど、ここでいう「玉藻よし」いうのは「美しい海藻の多い地、藻の採れる国」いう意味でな、この万葉集以来、地名「讚岐」にかかる枕詞いう扱いになっとるんじゃ。

なるほど。

そういうことでしたか。

しっかし、全文が長いたって、所詮は俳句とか和歌のアレだろ?

長いにも限度があるんじゃねえのか?

たわけ!

万葉集の中におさめられとる歌の形式は、「5・7・5・7・7」の5句からなる「短歌」とは限らんのんで!

そうなんですか?

うむ。

たしかに万葉集の中で一番多いのが和歌で、約4200首おさめられとる。

ほいじゃが、他にも「句数が7句から百数十句」に及ぶ「長歌」が265首、「5・7・7・5・7・7」の6句よりなる「旋頭歌(せどうか)」が61首、「5・7・5・7・7・7」の6句をもつ「仏足石歌(ぶつそくせきか)」が1首いう感じじゃな。

では、「玉藻よし」は?

当然「長歌」の1つじゃな。

なんじゃったら、さっき言うた文の7~8倍はあるで。

マジかっ!?

おう。

じゃけえ、全文は載せんかったんよ。

それとも全文載せたほうがよかった?

いや……

それはほんと、勘弁してください……

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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