37話① 沖縄・那覇の「タコス屋(Tacos-ya)」

文字数 1,315文字

今岡先生は沖縄にも行かれてるんですね。

前にも言うたように、わしは旅行やら仕事やら、

果ては小説の資料探しなんぞで全国飛び回っとるからな。

大抵のところには行っとるわ。

で、沖縄にも行ったってわけか。

まぁ、そういうことじゃな。

ちなみに沖縄ではどこにでも見かける、沖縄独特のものっていえば、なんじゃ?

そりゃ、シーサーしかねえだろ。

おう、そうじゃな。

「石敢當」じゃな。

おいっ!
だって、シーサーは当たり前すぎるんじゃもん……。
そういう問題じゃねえだろっ!

でも、この「石敢當」ってなんなんです?

っていうか、そもそもどう読むんでしょうか?

ああ、これは「いしがんとう」「いしがんどう」「せっかんとう」などと読むが、

正直、そのどれでもいいらしい。

そうなのか?

うむ。

地元の人が言うとったけえな。

で、これはシーサー同様、お守りみたいなもんなんだわ。

お守り?

うむ。

沖縄の妖怪の「マジムン」は直進しかできんとされとってな。

道路の突き当りとか三叉路では、それを乗り越えて、家に入ってくるとされとるんじゃ。

ぶっそうだな……。

じゃろ。

じゃけえ、沖縄の人らはそれを防ぐために、

道路のそういうところにこの「石敢當」を設置しとるいうことなんじゃ。

ほれ、街のいたるところにあるんじゃ!

いろんなタイプがあるんだな。
これはどれぐらい続いている風習なんですか?
ものは古いけえ、定かではないが、日本では戦国時代にはすでにはいってきとったといわれとるのう。
日本では?
ああ、これはもともと中国にあった風習なんじゃ。
中国っ!?

驚くのも無理はないのう。

これは福建省からはじまったとされとるんで、

武松が見とらんでもおかしゅうはないわ。

なるほど。

では、これは沖縄以外の日本各地でも見られるものなんですか?

ないことはない。

実際、沖縄ならどこでも見られるが、あとは鹿児島でも全県で1000個ちょっとある言われとるけえ、沖縄ほどじゃないにしろ、わりとあるほうじゃろ。

あとは?

鹿児島以外の九州ではたまに見られるレベルじゃな。

去年長崎の島原にいったとき、街中でたまたま見つけての。

「ほう、こんなところにもあるか?」と驚いたものよ。

それにしても詳しいですね。

おう、事前にWikiで調べとったのを、那覇に行ったときに

沖縄県立博物館の学芸員さんに根掘り葉掘り聞いたけえの。


プロに直接確認したのか!

当たり前じゃ!

ネットの利便性はありがたいものじゃが、

ソースを明らかにせず用いるのは、物書きの矜持にもとるというもの。


わからんことがあれば、素直に人に聞く。

なんだかんだで、これが一番なんよ。

お、おう……。
も、もしかして、博物館にいけば必ずやっていることなんですか?

いや、さすがに全部が全部いうわけじゃないで(笑)

ただ、地域色の強いところなんかは、そこの生の声を聞くのが一番わかりやすいけえの。

むしろそういうところでは積極的に話しかけて、プロに直接聞くようにしとるんじゃ。

あっちも自分の持っとるもんを語りたくてしょうがないくちの人らが多いけえの。

邪魔んならにゃあ、なんぼでも教えてくれるで。

そ、そうか……。
…………………。
(こいつの学習欲、正直なめてたかもしれねえ……)
(勉強したって、いうだけのことはありますね……)

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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