第177話 家内のムダ毛

文字数 495文字

 家内のムダ毛をやっとカットすることが出来た。意地っ張りの家内に、最後通告を突きつけてやっと目的を果たせた。
 長年、自分の頭は家内が家庭用のバリカンでやってくれている。もうバリカンは何代目だろうか。最終に買ったドイツ製のものが今でも長持ちしてくれている。こういう刃物は、やはり日本製よりドイツのほうが断然優れているようだ。
 ついでに家内の頭のムダ毛をカットしてやるというのに、なかなか応じてこなかった。髪をアップしてのしばらくはいいのだが、時間と共にムダ毛が散らかりだして不細工なのだ。もうこのことを言い出して数年が経過している。嫌ならパーマ屋へ行けと言っても聞かない。頑として聞き入れようとしないのだ。

 自分では後ろ髪は見えない。自分も含めて他人はそれを不細工だと思うはずだ。少なくとも自分は嫌なのだ。なので、しつこく、しつこく言うけれど頑として頭を振らない。今日のウオークの帰り際、腹に据えかねて、最後通告を家内に発した。
 その通告が効いたのか、やっと重い腰を上げた。自分の頭のカットの前に、家内のムダ毛を新しく買ったシェーバーの際ぞり、2,3分で終了した。きれいになった。すっとした。



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