第634話 ヘボ将棋自慢記

文字数 559文字

 週一回の公民館将棋、昨年より二ヶ月に一回トーナメント戦を開催している。そのトーナメント、五回目で初めて決勝に進出することができた。まだ決勝戦での対戦相手は決まっていない。今までは、ほとんどが一回戦敗退の我が実力であった。正直なところ10人でのトーナメント、自分の実力は7,8番目ぐらいだと自覚していた。もちろん上位者に対してハンデを申し出ることは可能だが、誰もハンデをもらおうとはしない。自分もそれを良しとはしない。それが将棋なのだ。





 今回は挌上の3人を倒しての決勝進出だ。二人はトーナメント優勝の実力者だ。でも、勝ちあがるチャンスは必ずあると思っていた。自分の武器を、長所を最大限に生かすことだ。自分の最大の長所はここ一番での集中力、そして勝つための作戦だ。それは今まで負け続けてきたからこそ得られたものだった。今回の初戦、挌上の実力者に穴熊戦法で自玉を囲うことができた。これで勝負の決まる終盤戦で一手、二手の余裕が穴熊にはある。序盤、集中力を発揮してミスを最大限防ぐことができ、攻撃にも好手が重なった。で、初戦突破。同じ戦術、戦法で二回、三回とも勝ち抜けることができた。





 相手に油断があったのかも知れない。自分の攻撃でいい手が重なったのかもしれない。次は決勝戦だ。誰が出てきても後はより集中力を増して戦うだけだ。
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