第183話 お寺さん

文字数 565文字

 弟の葬儀が縁で、今のお寺さんと付き合っている。弟、父、母と続けて三人がお世話になっているのだ。もともと、このお寺にお願いしたのは日蓮宗のお寺だったからだ。祖母が日蓮宗で出家したことで、このお寺に縁があると思ったのだ。
 当時はお金もなく、一切合切をこの金額でとお願いしたところ聞き入れてくれた経緯がある。葬儀費用、戒名、お寺に対する布施、お寺での一泊、などがふくまれる金額で、それが安いのか、妥当なのか、高いのかは分からない。このところの葬儀に関する価格は、低価格へと移行しているようだ。
 これとは別に、在職中の約10年は月一万円、退職後の今も5千円を毎月布施として送り続けている。ほかにも、法事やほかの行事もあり、できるだけパスしているが、幾ばくかのものを包まねばならない。世話になっている気持ちと遺骨を預かってもらっている気持ちを込めてそうしているのだ。
 しかし、檀家寺ではないので寺の収入は限られているようだが、何かとぽろっとお金の話が出たりすることがある。長年のことなので、少しお寺に対してあまりいい印象を持てなくなってきた。確かに人のいい住職なのだが、要はお寺も金儲けなのかといい気はしなくなってきているのだ。
 さてさて判断が難しい問題だ。葬儀や墓のことも含めて、このところの傾向は従来の常識がなくなりつつあるようだ。



 
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み