第87話 「青春の走馬灯」

文字数 532文字

 青春の走馬灯三部作<novel days 早川孝史 作>を読んだ。読み終えての感想は、一言、ムチャ面白かった。
 青春の甘酸っぱい匂いがムンムンとする作品。作者の裸の心の内が素直に綴られており、自分も含めて男には誰にでもある青春の一ページが見事に切り取られた秀作だった。
 ただただ面白くて先へ先へと引っぱられてしまう、思わずフンフンと頷く、俺もそうだったなあ、何故あそこでもう一息突っ込まないんだ!(実は俺もそうだったのだ)、結局、女のほうが一枚上なんだよなあ、あのフォークダンスのところと全く同じ経験をした、早川君、案外モテモテじゃないか、カラオケや社員旅行の下りは腹を抱えて笑わせてくれたよ、などなど。
 結局は失恋はしたけれどあれはあれで良かったのかもと、今では自分は思える。スムーズに行っていたら、全く人生が違うものになっていたかもしれないのだ。作品の中に自分も同じように埋没できたことに感謝です。
 「流転の海」や「青春の門」にも負けないような作品だったと思います。(ちょっと褒めすぎかな)
 小説は、人の生きた証が裸で綴られてあるものだからこそ、人は共感を抱くものだと思います。楽しい時間を作ってくれてありがとう。「続き」も読みたいと切に望んでいます。



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