第312話 伊集院静

文字数 571文字

 伊集院静の本を続けて読んでいる。その人の今は、過去の歴史の積み重ねにあると思わせてくれる人物だ。彼の今のいぶし銀の輝きは、誰もが認めるところだろう。在日韓国人二世としての生まれは、そのスタートから大きなハンデを背負って生きる必要があったのだろうと思う。なのに、彼はそれを感じさせない。
 先日読み終えた「お父やんとオジさん」は、彼の父と叔父さんの話だった。読みながら、今回のロシアのウクライナ侵攻で、このような母国を離れなければならない人々を多く作り出しているのだと思いながら読んだ。朝鮮が、北と南に分断される朝鮮戦争に関わる二人の話だ。



 その前は、「志賀越みち」は京都祇園の話、その前が「ノボさん」、漱石と子規の友情の物語だった。全く違う分野のものを書いているが、それぞれに凄く勉強、下調べして書いている。その時間だけでも膨大に必要なのに、彼の著作や活動は広範囲だ。
 そして今、昨日から「琥珀への夢」上巻を読み出した。サントリーの鳥居信次郎さんの伝記小説だ。これがまた面白そうだ。自分が若い時に勤めていた北浜周辺が最初の舞台だ。たぶん、速く読みたくなるだろうから、下巻を借りに行くまでに三日はかからないだろう。
 実は、家内とはこの周辺が縁だったし、彼女はあの夏目雅子の大ファンだった。言わずと知れた、伊集院の先の奥さんなのだ。


   京都にて
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