第381話 叡王戦

文字数 379文字

 叡王戦5番勝負の第3局が行なわれた。藤井聡太五冠が挑戦者の出口若務六段を激戦の末に勝利し、3連勝でタイトルを初防衛した。最終盤は両者秒読みに入り、藤井が相手のミスを捉え、きわどく逆転勝ちした。出口は、よほど悔しかったのか人目をはばからず涙した。


   アジサイ寺 頼光寺

 将棋には長時間かけて指す手と、瞬時短時間で決断し指す手がある。概ねタイトル戦は長時間の勝負だ。ただ、持ち時間が切れたときは、秒読みに入り短時間で差し手を決断しなくてはならない。藤井聡太は、両方ともに驚嘆すべき力を備えている。だからこそ、わずか19歳での五冠を保持しているのだ。瞬時に読み筋を見抜く詰め将棋選手権という競技がある。彼はただ今この戦いに5連覇中だ。
 秒読みに入ると、この瞬時に指し手を読む力が必要になる。もちろんミスも多くなる。そのなかで最善手をさす力が出口を上回ったのだ。



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