第40話 藤井聡太18歳 強さの秘密

文字数 589文字

 昨日、自分は欲張りで、自分の欲するものをある程度は持ちえたのに、何故か心が満足していないと書いた。そして、まだまだ何かを求める餓鬼地獄にいるとも書いた。
 そんな中、昨日の朝ウオークの深夜便で、マジシャンで精神科医の志村祥瑚さんのインタビューを聞いた。それはある種の衝撃を受ける内容だった。
 概略を説明すると次のようになる。彼の基本的な考え方は、「バリューアクション」にあるという。言いかえると、何に価値基準を置いているかによって人生は変わるというのだ。意識をどこにフォーカスするかによって、こころの持ち方も結果も変わってくるという。
 このことを少し意識しつつ、棋聖戦第二局を見た。藤井聡太が落ちついた指しまわしで勝利し、戦後のインタビューで次の第三局にのぞむ心構えを次のように応えていた。
 「あまりスコアのことは意識せずに、同様に向かえたらと思います」
 この短い言葉の中に、彼の異次元の強さの秘密がにじみ出ているように感じた。彼は勝利後のインタビューでいつもほぼ同じようなことを言う。彼の将棋に対する態度は、自分の納得する将棋をさす、必死に考えてでた最善の一手をさすことに最大の価値基準をおいているのだ。それをまるで楽しんでいるかのように。結果は後でついてくるもので、彼は全くそれにはとらわれていないのだ。彼の強さの秘密が少し理解できたのかと嬉しくなった。
 彼はいまだ18歳。
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