第109話 古い頭の持ち主

文字数 501文字

 これはやはりアマゾンが凄いのだろうか。昨日の夕方に発注した<芸術新潮>が、今日の9:16分には自宅の玄関前に配達されていた。嬉しいことには違いないけれど、ここまでしてくれなくてもと恐縮してしまう。
 アマゾンのどこかの倉庫から出荷された本は、愛知県のヤマト店を経由し、池田店のヤマトまで配送されたのが午前の1:13、それから7:56に池田を出てうちの家まで届けられたということだ。当然、様々な運送経費もかかるだろう。少なくともこの一冊を届けるために三人の運転手さんが関わっている。
 なのに、運賃は0。何だかこれでいいのだろうかと不思議と不安がない混ぜになった気分だ。ビジネス街であれば、こういうスピードが必要になるときもあるだろう。でも、こんな一日が暇なじいさんに、これほどまで早く届ける必要性があるだろうか。どこかおかしい、どこか間違っている、と古い頭の持ち主は時代についていけない。
 ただ、忘れていけないのは、いざ突発的な事故や自然災害が起こると、一気にこういう状況は消え去ってしまうということだ。電話が使えなくなる、スマホも使えなくなる、突然に陸の孤島が出現するのだ。そんなことを何度も経験した。


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