第４３７話　藤井聡太の二十歳初の対局

　藤井聡太の二十歳初の対局が、神戸有馬瑞苑で行なわれている。天才と言ってしまえばそれまでだが、こんなことは正直尋常ではない。自分も含め普通の人間からすると、とんでもないことが粛々と進行しているのだ。
　自分の二十歳の頃を思い起こすとき、なんと凄いことなのかと気が遠くなりそうだ。彼は、江戸時代から続く将棋の世界のトップに立ち、名古屋地区への念願の対局場開設のために世界のトヨタを動かし、おーいお茶や不二家という有名企業に続く大スポンサーの手を挙げようとさせているのだ。


　　　ウオーキングで見かけた風景

　あの対局後の冷静沈着、且つ周囲に常に気づかう謙虚な言葉、堂々とした振る舞い、若干二十歳にして泰然自若、何と言う人間なのだろうと驚くしかない。
　神戸の有馬温泉一流旅館で、最高級な部屋と料理で至福の時をすごすことが出来ない自分に何だか情けなくなってしまう。でもその反面、普通でよかったという負け惜しみもちょっぴり感じてはいる。