第197話 「あうん」

文字数 410文字

 「あうん」のNHKドラマの再放送を見た。約四十年も前の作品だ。二人の男同士の友情をメインに、そこに登場する人物それぞれのプライドと意地、生き様が描かれているように感じた。
 男のプライドは、人生を生きる重要なファクターだと思う。特に若い時や、守るべきものがある状況においては、それを隠して、つぶしてでも男は生きる必要をせまられる。




 しかし、老齢の時期になると、この男のプライドは邪魔者になるように思う。郊外の高齢者の多く住む町には捨ててもいいようなプライドを持ち続ける男と、そんなものは糞の役にも立たないと現実適応に優れた女がいる。我が古いマンションの住民行動を見ていると、男どものつながりは全くない。それに引き換え、女同士は腹のうちとは別に、お互いおしゃべりに花が咲く。




 約四十年続いた商売で知り合った友人と、先年男同士のつまらないプライドの張り合いで疎遠になった。現実よりもプライドを優先するのが、どうやら男らしい。



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