第425話 事実と思考

文字数 609文字

 安倍さんが暴漢に銃撃されるという出来事があった。これは現実に起こった事実だ。安倍さんの状況から考えて、即死に近いものだった。安倍さんはその瞬間に思考を停止した。死んだのだ。安倍さんの思いはもうこの世にない。
 しかし、安倍さん以外の人間の思考は止めることが出来ない。思考の結果の表現に様々な違いが生じる。NHKは事実だけを報道する姿勢を貫いているように思えた。他の民放は、コメンテーターやアナウンサーを含めて、憶測や推量、思い込みや意思を感じさせる報道だった。岸田首相のインタビューには、同時代を共に生きた政治家としての心情や無念が吐露されたものだった。奈良県立医大のインタビューに答えた医師は、事実だけを粛々と伝えていた。奈良県警のインタビューは、警備体制への不備の追求を、捜査の結論を延ばすことで記者の質問をかわしていた。


    広島にて

 党の最大派閥である安倍派の議員達の思考は、驚きと共に安倍氏亡き後の政治活動への思考が去来していることだろう。世界の首脳の反応にも、安倍氏の死去が様々な思いを与えた。それらは、各人各様のコメントとして報道された。
 自分自身の思考としては、次のとおりのになると思う。政治家を含め、100%清廉潔白な人間はいない。安倍さんを、政治家としてのいい面と悪い面で比較する時、彼は圧倒的にいい面が多かった政治家だと思った。彼ほど日本の首相として、世界から注目を浴びた人は今までいなかった。



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