第545話 世の中とつながっている

文字数 456文字

 近くの小学校に、水彩画一点と写真二点を持ち込むことができた。地区の文化祭への出展のためだ。これで何とか「ねばならぬ!」を最低限完了することができた。体調は最悪だけれど、これだけは浮世の義理と自分の中で気になっていたことだ。あとは、夕方にそれらを持ち帰ることで完了する。
 まだこんな小さなことでも守ることができているのは、少なくとも社会とつながっている証になる。以前に高齢者住居の責任者をやっていたので、その意味がよく分かる。入居された方は、そこで一旦社会と分断されるということなのだ。家族から体よく見放された結果なのだ。だから、そういう施設とか老人ホームへ入居することに、本人のハードルがあるのはそのためだ。無意識に感づいているのだ。


   神戸三宮

 約一ヶ月の「痒い、痒い病」に悩まされて、改めて健康のありがたさを理解できた気がする。これはこの先の自分にとって大きなことだ。まだまだこの世の中とつながっていなければならぬ。以前に書いた「ねばならぬ!」の排除は、意外に生きるための道具になっているのかも知れない。



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