第104話 自己満足

文字数 524文字

 自己満足という言葉は、あまりいいイメージでとらえられていない。しかし、自分の行動したことに対し、自分が満足するかどうかは全ての場面において一番重要な判断基準だと思う。結果や行動に対し、他人は好き勝手、無責任に評価することが多い。それを気にしたり、振り回されたりすることもあるかもしれない。ただ、忘れはいけないことは、自分の行動に対する責任の所在は、全て自分にあるということだ。自己が満足しているのであれば、後悔も少ないだろう。
 天才藤井聡太は、いつも戦前のインタビューに答えていつも同じことを言う。「勝負の結果にこだわるより、自分の納得する将棋を指したいと思っています」自己満足を判断の基準にしているのだろう。
 高齢になると、自分の過去を振り返り、自己評価することが増えてくる。自己の人生を総括したくなるのだろうか。人間はそのようにできているのかもしれない。その時、己の人生に満足しているかどうかはすごく重要なことだと思う。百パーセントの満足は誰にもあり得ない。おおむね満足と言えるかどうかが問われているような気がするのだ。ならば、自分を自分のために肯定しようではないか。
 なぜなら死に際に対し、それを判断するのは自分だけしかありえないのだから。



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