第351話 贅沢な悩み

文字数 621文字

 これだけ何の不満もない日々を過ごしていいのだろうかと不安になってくる。まったくこれほど贅沢な悩みはないだろうと思う。それほど頑張った人生ではなかったはずなのに、なのに幸せすぎる余生が続いている。
 サンデー毎日を充実して過ごせるだけの趣味もある。いつもそばには自分には出来すぎの嫁もいる。からだの方は、年相応の老化はあるけれど、これとても決められた常備薬を飲んでいれば問題もない。これ以上悪化をしないだけの工夫は必要なのだろうが、最低限の運動は欠かしていない。たぶんこれは、これほどまでに自分を生んでくれた両親のお蔭だろうと思っている。これは予想外に大きな財産なのだ。


    一昨日のウオークで

 一つだけある不満をあげるとすれば、それは夜間頻尿ぐらいだろうか。一時間、二時間、三時間おきに変な夢で起こされる。変な夢の中身にだけ過去がまとわり付いている。過去に引き戻そうするかのようだ。きまってその時は、尿意も伴っている。夢のせいで起きるのか、尿意のせいなのか分からない。たぶん尿意だろうと思う。夜間には過敏になっているのだ。だから朝の寝起きはすっきりしない。だから、その分を取り返すべく、気持ちのいい昼寝は最近の欠かせないルーティンになっている。
 でも考えてみたら、これぐらいの悩みは日々の幸せの代償としてはあまりにも小さなものだと理解するしかないだろう。それではあまりにも贅沢すぎる。


     昨日のウオークで見かけたおしゃれな玄関の飾り窓
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