第267話 北のミサイル

文字数 490文字

  一月に入ってから、実に7回もの北朝鮮によるミサイルが日本海に向かって発射されている。日本にとっては大きな脅威であり、アメリカに対する刺激と挑発にもなっている。北朝鮮がミサイルの進化を見せて、アメリカとの交渉に優位に立ちたいなどとの憶測があるけれど、とてもそんなふうには思えない。



 はっきりと、その裏には、中ロの影があるように思える。中国にとっては、一帯一路の拡大を阻もうとする米や他の自由諸国への敵意は日増しに高まっている。また、北京オリンピックに対する自由諸国圏の外交拒否は、気分のいいものではない。台湾問題もある。ロシアもウクライナ問題で米の反発を受けており、両国の立場が同じところにある。
 両国が直接に米に対して反発することは、世界戦争への危険性を孕むことになる。そこで、北を利用して挑発、刺激を繰り返し行なわせているのだと思う。北にとっても、中ロからの見返りは喉から手が出るくらい嬉しい話だ。7回ものミサイル実験には莫大な費用がかかるだろう。それに倍するだけの見返りがあってのことだと容易に想像できる。北朝鮮の生き残る道がここにあることを、金正恩は一番よく知っている。



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