第219話 年齢の自覚

文字数 580文字

 年齢の自覚というのは、案外と難しいものかもしれない。自分と同年齢だと思っていた人が、歳を聞くと七つも八つも上だったということがよくある。仮に自分が75歳として、充分に自分の年齢を自覚している人なんているのだろうか。何年生まれだから今年は○○歳になると思っているだけのことではないのだろうか。
 「主観年齢」という言葉があるらしい。自分自身で感じる年齢のことだ。実年齢と主観年齢の違いには、面白い関係がありそうだ。実際は75歳だとしても、それよりも自分を若いと感じている人もいれば、歳を取っている感じる人もいる人もいるだろう。その時は、きっと他人と比較しているからに違いない。




 過去の年齢は、経験してきた年齢だから何となくわかったつもりでいるだろうが、これから先の年齢は想像の域を出ないはずだ。実年齢は他人と比較する以外になく、自分と比べてどう感じているかによる。また、他人をどう見るかによっても違いがある。顔、雰囲気、肌のつや、しゃべり方、態度、言葉の内容など、様々なところで自分と比較してどうかということになる。




 誰にも経験があることだろうが、数十年ぶりの同窓会で会った人たちが、すごく年老いて見えたり、若々しく見えたりしたことがある。それは外観によって左右された結果だろう。特に頭の毛が禿げ上がった友人を、担任の先生と見間違えたという話もあるくらいだから。



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