第117話 政治家としての信条

文字数 482文字

 菅総理が退陣を表明した。大変な時期に安部さんを引き継ぎ、可愛そうな気もするが、これもこの人の器だったのだろうと思う。
 日本の政治家を見ていて最近とみに思うことがある。それは政治家としての信条(信念・哲学)の欠如だ。有力な次期総理候補者のホームページを見ても、誰一人この政治信条の記述がない。一番に掲げなければならないものがない。もちろん本人が作るわけではないけれど、一応の確認はするだろうし、内容に対する責任もあるだろう。
 政策や公約的なものの記述が羅列されてあるのは当然なことだろう。しかし、その前にあるべき政治家本人の考え方、判断の基準である政治家信条が欠落しているのだ。まことに不思議に思えてならない。信条があってこそ、この人はこういう考え方、信念で日本の政治をやっていくのだということが伝わってくる。これがなければ、場当たり的な政治しかやれないことになるだろし、官僚主導の政策しかできないことになる。
 コロナ禍、近年の日本を取り巻く政治的状況は極めて複雑だ。その判断を下すべき時に、政治家の信条が前面に出てこない日本の姿が、あまりにも歯がゆく感じられる。



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