第475話 季節の変わり目

文字数 439文字

 酷暑もどうやら峠を越えたようだ。夜の9時を回るともう冷房も要らない。扇風機を弱にして、窓を開けて寝ているが、日が替るころには扇風機の風が邪魔になるし、足元に冷たい外気が流れ込んでくる。季節が変わるというのはなんと素晴らしいことなのだろう。あの酷暑の最中は、もう永遠に涼しくならないのではと思ったこともあった。
 無性に嬉しくなると同時に、あれもしよう、これもしなくてはとそわそわしだす。水彩展に向けて作品仕上げのピッチも上げなくてはならない。じっくりと文章も書きたくなってきた。もちろん楽しい外歩きも復活だ。季節の変わり目がこれほど素晴らしいものと感じたのは久しぶりのような気がする。


   不良在庫が少し陽の目を見ている花たち

 苦あれば楽あり。我が国の素晴らしさに感謝しなくてはならぬ。外を見回したら、これほど恵まれている国は少ないように思う。年中暑い、年中寒い、季節がない、太陽が出てこない、食うものがない、戦争が終わらない、自由にものが言えない、そんな国の如何に多いことか。



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