第602話 佐藤と村上

文字数 558文字

 「よしなしごと」第2話で最大の賛辞を贈った佐藤輝明がピンチを迎えている。岡田監督も「終わってしまうでぇ!」のコメントを発している。一年目後半から全球団に内角をつかれ、フォームを崩したことが原因だ。その間、少しは立ち直りを見せることもあったが、ここにきてどこが打てるのだろうと素人目に見ても残念な結果に終わっている。自己責任の原理から言えば、努力不足や心の弱さから来るものだろう。監督もコーチも指導や立て直しに必死だろう。ベテラン解説者が色んなアドバイスを送っている。それに耳を傾けてもいるだろう。しかし、一向に改善が見られないのだ。



 バッティングは3割を打てば一流だ。しかし、2割では外野から「くそみそ」に言われてしまう。10本に1本の差がこんなに大きいとは大変な世界だと思う。されどこの1本が選手寿命を左右してしまうのだ。佐藤に今一番必要なのは、ベストマッチなアドバイスを送れる人との出会いだろう。受け入れ側の佐藤にも聞く耳を持つかどうかも問われている。ひょっとしてこれから行なわれるオールスターがチャンスかもしれない。王に荒川が、松井に長嶋がいたように、そんな出会いが彼にあるのだろうか。



 あの去年の三冠王村上宗隆も苦しんでいる。あれほど打てたのに今は見る影もない。バッティングの好不調とは摩訶不思議なものだ。
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