第345話 阪神低調の原因

文字数 478文字

 昨年と違って、阪神の今年のスタートは見る影もない。強いチームには、不動の四番、絶対的エース、強力な抑えが必要だ。曲がりなりにも、去年は佐藤や中野、マルテ、サンズが頑張ってくれた。抑えのスアレスがいたので、後半までにリードしていれば逃げ切ることができた。塁上のランナーもよく走って得点力に貢献した。打線に陰りが出た後半戦も、何とか首位にゲーム差無しの二位という位置まで頑張った。



 なのに、今年は第一戦の大量リードを新人の抑えが守りきれず、けちが付いてしまった。その後遺症が今も続いている。四番はいない、エースもいない、抑えのめども立たない、走ることもない、打線は眠ったまま。守りの要のキャッチャーも、去年の終盤の梅野の問題を引きずったままだ。そんな状況で、勝てというほうが無茶な要求かもしれない。
 今年で辞めると宣言した矢野の一言が、何だかその原因に思えてならない。だまって勝って、優勝して、堂々と勇退すればかっこよかったのに。辞めるから頑張ってくれとは、少し虫が良すぎたのかもしれない。言葉って、使い方を間違えると大変なことになる。


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