第60話 オリンピック 立場の違い

文字数 588文字

 この度のオリンピックの開催について、これほど立場の違いがくっきりと浮かび上がったことはない。政府や都、IOCは、開催を前提条件として世論に一応の配慮しながら進めているという立場だ。もちろんアスリートたちも同じだけれど、世の中の流れや雰囲気を全く無視というわけのはいかないところが気がかりだろう。
 野党や大方のメディアは、開催に反対。強行しての政府の失策、失敗は、またとないチャンス到来と捉えていることだろう。
 かたや、尾身会長を代表とする感染症分科会の立場は、開催中止の意見だけれど政府によって封じ込められ、どうしてもやるなら無観客という立場だ。幸いにして、東京の感染者数が上昇し、無観客となったことに少しは溜飲を下げたことだろう。
 菅総理の立場は、G7でも開催の協力を取り付けた。国内的には自分の言ってきた「安心・安全の開催」のさらなる確保のために、感染急増を受けて無観客を選択したといったところだろう。この人なりの覚悟は見える。
 最後に、僭越ながら高齢の一市民としての立場は次の通り。国が決めたことだから開催には積極的には反対しない。オリンピックが見ることできることはうれしいことだ。ただし、人命尊重の立場から考えると、四年に一度のオリンピックより、百年に一度のコロナ感染という地球規模の大災害を軽視するのか理解できない。菅総理がいう人命尊重の立場とは、一体何なんだ。
 
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