第203話 早出

文字数 433文字

 前回のグランドゴルフから、いつもより30分早く出てグランドの準備を手伝うようにしている。今までは、いつもの男性メンバーがやってくれた状況に乗っかるだけだった。もうそろそろと思っていたのだ。




 今日はひときわ寒く、家を出るのに躊躇したが、着いたころにはいつものメンバーが黙々とグランド整備に取り掛かっていた。要領も少しは見ていて分かっていたので、邪魔にならない程度にグランドレーキを引っ張ってグルグルまわる。約30分ほどやると、凄く暖かくなり、汗もかく。




 一つの行動の変化が、このようにからだに変化を起こし、気分もいい。何気ないことだけれど、少しの驚きがあり新鮮だ。からだにもいいことばかりで、何一つ悪いことはない。今までは、準備ができたグランドを、何もしないで使うだけだった。お客さんだった。それが少し踏みだすだけで、ほんの少しの嬉しさも還ってくる。
 先日書いた「ねばならない」「こうあるべき」自分の枠を少し飛び出せば、こんなささやかではあるが、自分に変化が訪れる。



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