第131話 北大路欣也

文字数 460文字

 北大路欣也という役者がいる。「剣客商売」や「三屋清左衛門残日録」などはお気に入りの番組だ。「剣客商売」は藤田まことも良かったが、北大路欣也も負けず劣らずいい。歳を重ねて風格がどんどん増し、なんともこんな粋な年寄りになりたいなと思わせる。
 もう、父の市川右太衛門を超えたのではないかと思う。右太衛門の旗本退屈男も当時はめちゃくちゃかっこよかった。東映の映画館で見た記憶はいまだに鮮明だ。時代が違うので一概には言えないが。
 俳優にありがちな浮いた噂もなく、しっかりと地に足をつけて頑張ってきたと感じさせてくれる。こんな俳優は案外と少ないのだ。映画やテレビで彼が演ずる役どころはまり役が多く、独特の雰囲気が画面から漂ってくる。
 ソフトバンクのあの犬の声が彼だと分かった時には、すごく驚いた。いくつもの引き出しを、人生を重ねて持っていることがうれしい。自分より三つ上だけれど、父と子の共のファンであるなんてことはそうはないことだと思う。
 残日録の続編を早く見たいものだ。

           <いつかの9月に撮った写真の一枚>

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