第497話 葬儀

文字数 420文字

 葬儀というものは、世間とのつながりにおいてその規模が決まるもののようだ。最近は、全体的に葬儀の規模が小さく、簡素化されるようになっている。家族葬、一日葬に加え、直葬(火葬式)といって、お通夜や葬儀を行なわない形も増えているようだ。
 これはある意味、急速な高齢化が原因しているのかもしれない。本人が世間から長期間遠ざかると、どうしても人との縁やつながりが薄れてしまう。そうなると、葬儀に呼ぶほうも呼ばれるほうも、参加への意味や物理的、体力的な面で難しくなるからだと思われる。だから、年末や年始の挨拶状に突然の訃報を聞かされることになるのだろう。もちろん、お寺さんとの関係が希薄化していることも一つの原因でもある。


    奈良にて、コスモス

 現役でバリバリと働いていた人や、幼児や若者の不慮の死には、世間とのつながりが大きい。規模も自然と大きくなるのだろう。若年での死は痛ましいことだけれど、高齢での死はむしろ喜ばしきことかなのかも知れぬ。



 
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