第５７３話　相聞歌

　短歌が静かなブームになっているようだ。永田和宏と河野裕子の短歌が火をつけたわけではないだろうが、彼らの話がドラマ化されたり、永田がテレビのドキュメントとして登場している。
　そんな中で、朝ドラの「舞い上がれ！」にも短歌が重要なファクトとして取り上げられ、ドラマが最大の盛り上がりを見せている。高司と舞との恋愛が短歌をとおして、今まさに成就しようしているのだ。高司に恋焦がれる史子の言動や行動がいい味となっていて、ドラマを面白くさせている。高司の歌集実現には相聞歌が必要と編集者に言われている状況で、高司の舞への気持ちが相聞歌としてどのように詠い上げられるかで二人の恋も短歌集も実現するのだ。短歌、あと１０句のなかにどんな高司の舞への想いが詠まれるかが楽しみだ。





　先日買った永田和宏の「歌に私は泣くだらう」を大事に読んでいる。こんな夫婦が世の中に堂々と存在していることに自分は驚くことしかできない。でも振り返ってみると、古典の歌集や有名な物語は相聞の歌で出来上がっているのだ。