第603話 ダブルタイトル戦

文字数 528文字

 藤井聡太と佐々木大地のダブルタイトル戦が行なわれている。昨日の王位戦第二局、佐々木にとっては先手番で絶対落とせない対局だった。棋聖戦の第三局、王位戦の初戦と完敗し、心中秘かに練った作戦で臨んだのだろう。何とか先手優位を活かし、一気に攻め立てる作戦がものの見事に藤井によってひっくり返されてしまい、夕刻の早い時期の投了という結果になってしまった。このショックは大きいだろう。このままズルズルいく気配だ。はっきりと言えば、自力の差がはっきりとでた対局だった。



 藤井は渡辺、豊島、羽生といった難敵をことごとくなぎ倒して今の七冠をなしとげている。その間、彼の敗戦からの反省と次戦への傾向と対策には並外れた研究と努力が感じられる。だからこそ今の地位があるのだろう。今回も出足で佐々木に敗れた戦いをじっくりと研究したことが伺える。藤井は佐々木以上に準備をしているのだ。才能とたゆまぬ努力が生み出した結果のように感じた。
 ただ一つ藤井に気になることがあった。このところに終盤戦に彼の顔にチック症状が出ている点だ。100パーセントミスはしないという長時間の思考の積み重ねがそこにあるように感じられた。時間配分を考えることが彼にとってのこれからの重要な点ではないだろうか。




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