第355話 現実の世界

文字数 586文字

 ロシアのウクライナ侵攻の結末はいったいどうなるのだろうか。世界中、誰ひとり、その問いに明確に答えられる人はいない。
 世界で決めたこれだけはみんなで守ろう、守っていこう、として作られた国連がその機能をまったくはたせないでいる。守る側の張本人であるべきロシアが、それを自ら破っているからだ。<ちゃぶ台返し>という言葉がこれほど似合う光景はないだろう。世界は無法地帯の真っ只中にある。我が国にとっても、対岸の火事ではないのだ。
 今回のプーチンの一撃が、共産・社会主義対自由・民主主義の再びの対決という構図を引き起こしてしまった。前回のキューバ危機と違いは、その対決の中に中国が入っていなかったことだ。だからとも言える今回の出来事だ。
 西側諸国は、プーチンの首を締め上げるべく、彼の周辺に資産凍結をという制裁を行なった。しかし、その反動として、世界のほとんどがロシアからの資源のストップという締め上げにあっている。その上に、世界がこれだけには手を出さないだろうと思っていた、核のスイッチに手をかけようとしているのだ。世界の良識や常識が崩れてしまうかも知れない。
 世界が、コロナ襲来という未曾有の事態の中で、第二次世界大戦以降、類を見ない大きな難題をかかえている。そんな中でも、我が国には連休が始まっている。なんとも不思議でこっけいな世の中だと思う。でも、これは現実の世界なのだ。



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