第251話 家族の定点観測写真

文字数 727文字

 久しぶりに家族全員が集合した。全員が集合した時には必ず集合写真を撮るようにしている。家族の変化がこの一枚に凝縮する。この写真の重みは、ずっとずっと後でみんなに分かってもらえると信じている。言わば家族の定点観測写真なのだ。
 それにしても、六人の孫の中の孫一号の龍の顔が大きく変わりつつある。背も伸びたし、自分の意思を皆の前でぼそぼそとしゃべるようになっている。高校受験を控えて、そうなって欲しいいと思う反面、もう子供ではなくなりつつあると少し寂しい気もする。
 爺としては、家族全員が将来にわたって無事に過ごしてくれたらと思うのみだが、なかなかすんなりとは行かないだろう。それがそれぞれの人生であり、生きることなのだと思う。
 三人の女孫とお絵かきをした。三人とも何とか美人になるだろう気配はある。これは全くの贔屓目でしかない。三人とも特徴があり、それぞれに意思がはっきりとしつつある。
 三人に男孫は、一番上が高校受験、二番目は親の影響もあり、ゲーム好きからゲーマー傾向へと向かいつつある。三番目はやっと爺や婆から譲り受けたアレルギーから解放されつつあり嬉しいことだ。二番手の教えを受けてゲームに埋没していた。
 帰宅前の定番は、いつも決まっている。近くの100円ショップにぞろぞろと出かけるのだ。爺としては、まだまだ飽きてくれないので助かっているが、これがいつまで続くのだろうか。家内は、こんな家族が集まる日がいつもの最大のイベントなのだ。息子、孫命なのだ。数日前からこの日に向けて、いつものメニューの準備をしていた。これもいつもの定番で、食事接待をしながらキッチンドリンカー。またまた呑みすぎている。仕方がないけれど、少し心配になる。

 多田神社 とんど祭り



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