第250話 世の中のこと

文字数 515文字

 今頃になって、世の中の仕組みや物事の考え方などがよく分かるようになってきているように思う。あの時こうすればよかった、こんな方法もあったのだ、世の中はこういう仕掛けでできていたのか、と省みる。今の世の中の流れを見ていて、この結末は多分こうなるだろう、この方向に進んでいくだろう。少しは、物事の先を見通すことができるようになっているのかもしれない。長い歳月と経験がそうさせているのだろうか。
 いまさら手遅れではあるのだが、若い時にはそれに気付かない、こんな簡単なことが分からなかったのだ。否、分かろうとしていなかったのかも知れない。自分が正しい、人の意見を聞くつもりなど全くない、と自分の我を押し通してしまっていたのだろう。若気の至りとしか言う他はない。こんなことなら、もっと父や母、人生の先輩の声に耳を傾けるべきだった。心を開いて苦言を聞き入れる度量が足りなかった、と反省しきりの日々が続いている。



 
 人の人生とは案外そういうふうに出来ているのかも知れない。みんな若き日を後悔しながら、今を生きるのが老人なのかもしれない。少し寂しい気はするのだけでれど、それもまたいいと思う自分もいる。
 今日、孫達が今年の初お目見えのやってくる。



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