第187話 柿

文字数 667文字

 様々な果物が、季節を映すようにスーパーで売られている。最近では温室育ちのものも増えており、年中売られるものも多い。その筆頭はイチゴだろう。



今は何といっても、柿が美味い季節だ。もっとも優れているのは、何といっても当たりはずれがないことだ。ほぼ満足する。果物を選ぶ時、いつもの当たりはずれに悩まされることが多い。当たりを引いた時のうれしさは、心の中で「やった!」と思うし、家内の賛同を得られるときなのだ。どちらにしても、この見極めは本当に難しい。柿と同類、当たりはずれの少ない果物にブドウ、キウイ、バナナなどがある。どれを選んでも、ほぼ満足することが多い。

 逆に、一番難しい果物の筆頭がりんごだと思う。自分が一番好きな果物なのにいつも悩まされる。なかなか当たりを引くことが少ない。昔から好きだった国光リンゴは、最近店頭に並ぶことは稀だ。あの酸っぱさがたまらないのに、それが今では嫌われる原因だと聞いたことがある。みかん、なし、イチゴなども同類で、なかなか美味いのに当たることが少ない果物だ。高いから、ブランドだから美味いとは限らないのだ。本当に厄介な果物で、安くても、適当に選んでも美味いときもある。昔は果物屋さんがほうぼうにあったし、その選定は確かだったような気がする。それが店主の信用にもなるだろうし、繁盛の決め手だったのかもしれない。今は選定が自分なので文句が言えない。また、果物には熟れごろの見極めが難しいものもある。すいかやメロン、パイナップルはその類だろう。
 それにしても、ほんとにうまい果物に当たった時のうれしさは格別だ。



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