第253話 佐藤優

文字数 605文字

 佐藤優の「十五の夏」の下巻を読了した。上下合わせて800ページをゆうに超える。書くほうも大変だろうが、読むほうもこの歳になると辛いものがある。でも、読み進めたいと思える内容だった。高校一年での東欧、ソ連への一人旅をするというだけでも凄いのに、その後の彼の活躍には驚かされることばかりだ。
 読後、ソ連、ロシアに対する感じが少し自分の中で変わった。それはロシアという国と、国民は違うということ。同じように、中国と中国国民とは違うのだろうと思う。それだけ、政治の国民に与える影響力の甚大さが今の世界を現しているようだ。

 先ずは、鈴木宗男の疑惑に連座する形で逮捕され、512日の拘留にもめげない精神力の強さに感服する。また、鈴木との協力による「日本のシンドラー」と呼ばれるようになった杉浦千畝を世に送り出した功績しかり、失職後の膨大な著作、神学者としての教壇に立つ姿など、常人とはとても思えない。それはあの眼力鋭い風貌が物語っているようだ。




 理不尽にも、長期間司法の手で拘留される人は多い。しかし、その後に活躍をする人たちは、概ねその嫌疑が理不尽であったり、無実であることを物語っているように見える。でなければ、長期間の精神バランスを保てないと思うし、自分は間違っていないという精神力がそうさせるのだろう。人間による裁きより、神による裁きを自分の信念とした結果だと思う。
 佐藤優の著作を次回も借りてみよう思っている。


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