第53話 下手な絵

文字数 522文字

 下手な絵ばかりを描いてきた。何とかこれが続いているのは、りんどう会のおかげだ。りんどう会とは、広末佳代子(日本画家としての歩みと美意識がユーチューブにあり)が主催する絵の教室だ。
 年に一回の作品展があり、それに向けて下手なりにも出品せねばならぬ。出せばそれなりに刺激がある。上手い人が一杯いる、この人のように描いてみたい、この絵はどれぐらいの時間がかかっているのだろう、少しは褒められたい、そんな思いで続けているのだ。
 昨年はコロナで中止になったけれど、来年は行なわれるだろう。そのためというわけではないけれど、狭い我が家の片隅にミニミニアトリエを作った。そのためか少しヤル気が上昇中。残念なことに、絵は自分の中にごちゃごちゃ詰まっているものの中からしか描けないのだ。それは技量であり、経験、好きな画家の絵、今まで観てきたもの、感じてきたもの、そんな中からしか生まれることはない。決して魔法の玉手箱はありはしないのだ。
 候補の予定はしている。安野光雅美術館(今年、津和野に小旅行した)、広重の浮世絵(去年、一杯模写した)、マテウシュ・ウルバノヴィチの絵、PCに入っている膨大な取り貯めた写真、そんなミックスの中からひねり出さねばと思っている。
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