第15話 宮尾登美子の「櫂」

文字数 288文字

 宮尾登美子の「櫂」の再放送を見た。名前だけは知っていたが、これはどの大作家だとは知らず、全く恥じ入るばかりだ。明治、大正の時期に女性目線で時代に翻弄されながらも逞しく生きる女性を描いている。高知で女衒を営む父と、愛人である女義太夫の母との間に生まれたという出立の背景が大きく影響していると思う。
 「櫂」には、女性が一人の力で、櫂を使って世の中に漕ぎ出すという意味でつけられた知る。「序の舞」の上村松園にも作者と似通った出自がテーマとなっており、未婚の母として強く生き抜いた女流画家の生涯を描いている。上村松園の描く女性像には、凛として一人で生き抜く女性達が多く描かれている。
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